「きぼう」日本実験棟 船外実験プラットフォームに設置された超伝導サブミリ波リム放射サウンダ(SMILES:スマイルズ)において、平成22年4月21日18時頃(日本時間)から待機モードとなったのは、サブミリ波受信系の一部の機器における不具合によるものと判明しました。引き続き、原因究明を進めています。
宇宙航空研究開発機構と情報通信研究機構が共同で開発したSMILESは、超伝導ミクサという新しい技術を用い、従来の人工衛星からの観測では達成できなかった高い測定感度で、成層圏のオゾンやオゾン破壊に関連する大気微量成分の存在量を宇宙から観測するセンサーです。大気分子から放射される微弱なサブミリ波信号は、サブミリ波アンテナで集められ、SMILES の内部へ送られます。
SMILESのサブミリ波受信系の内部には基準周波数信号を発生するサブミリ波局部発振器系(情報通信研究機構担当コンポーネント)が搭載されています。その基準信号と大気からのサブミリ波信号の差周波の信号を作り出すことで、大気分子の濃度分布が得られます。
4月21日から待機モードとなっていた サブミリ波局部発振器系に、4月22日と4月29日に電源投入して動作状態を確認しました。その結果、サブミリ波局部発振器系内の電流値が通常時より過大であることが判明しました。引き続き、取得出来たデータの詳細解析を進め、原因究明作業を継続しています。
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